
ぶどう市場
作品情報
ストーリー
アントン・ミトフがこの葡萄市場を描いた1894年、ブルガリアが独立国となってまだ十五年ほどで、自国の芸術が何を見つめるべきかを手探りしていた。ミトフの答えは街頭だった。彼は野外の市場、売り買いする人々のざわめきと色彩、そしてよく知る町の重い民族衣装に惹かれた。ここでの主題は秋の葡萄の商いで、開けた空の下の籠と人だかりが、大きな油彩として仕上げられている。この地のかつての画家たちは、多くが教会の壁やイコンで腕を磨いた者で、こうしたありふれた光景を一枚の絵に値するとは考えもしなかっただろう。
