
Carl Bloch · PD
ローマのオステリアにて
作品情報
ストーリー
19世紀半ば、北ヨーロッパの若い画家たちにとって、ローマは学びと出会いの地だった。デンマークのカール・ブロックもその一人で、この絵は彼のローマ滞在中、友人であり支援者でもあった商人メルキオールの注文で描かれた。舞台はローマの居酒屋オステリア。手前のテーブルでは、一人の若い男が二人の若い女と向かい合っている。青と赤の衣に白い帽子の女が、グラスを口へ運びながらこちらへまなざしを向ける。開いているようでいて、どこか物憂げなその視線は、いま店に入ってきた誰かに気づいた瞬間のものだ。奥の人物のなかには、注文主のメルキオール自身の姿もまぎれている。ブロックはのちに聖書を主題とした大作で知られるようになるが、この頃はまだ、こうした市井の情景に筆を向けていた。