
Kanō Sanraku · CC0
金山島と西湖
作品情報
ストーリー
日本の絵師が、おそらく一度も足を運ばぬまま描いた中国の名所である。寛永のころ、1630年前後に、狩野永徳の養子で後継者でもあった狩野山楽は、六曲一双の金屏風に二つの中国の景勝を広げた。右隻は金山、長江に浮かぶ島で、橋がかかり、文人や漁夫、供の者たちでにぎわう。左隻は杭州の西湖、町の門を下の隅にそっと置き、12世紀以来中国で愛でられてきた西湖十景をふまえて構成されている。この時代、日本は次第に外との交わりを絶ちつつあり、絵師たちはこうした景色を古い漢画や漢詩を通してしか知らなかった。その景色を、山楽は墨と金でここに描き直している。