
Caravaggio · PD
ナルキッソス
作品情報
ストーリー
ギリシャ神話の美少年ナルキッソスが、泉の水面に映る自分の姿に恋をして、そこから離れられなくなっている。この絵がほんとうにカラヴァッジョの手によるものかは長く議論されてきたが、いまは多くの研究者が彼の作と認めている。カラヴァッジョは、暗い背景に少年ひとりだけを置いた。上半分の本人と、下半分の水に映る像が上下対称になって、ひとつの円環をかたちづくる。少年は自分に見入り、自分に見つめ返され、その閉じた輪から抜け出せない。水鏡の像は本人よりも暗くぼやけ、生身とまぼろしの境目をなしている。画面でいちばん明るいのは、水面すれすれに突き出された彼の膝がしらだ。




