
Didier Descouens · PD
オルフェウス
作品情報
ストーリー
1878年、アンリ・マルタンは18歳ほどで、トゥールーズの美術学校に学んでいた。課される主題はほとんどが神話だった。師のジュール・ガリピュイのもとで、版画の模写から生きた人体の写生へと段階を踏み、この《オルフェウス》もその成果のひとつである。彼はこの歌い手を、エウリュディケを失って久しい、悲しみに打ちひしがれた老人として描いた。その年、画布はトゥールーズ市の賞を得た。やがてマルタンを市の奨学金でパリへ送り出すことになる才能の、早い兆しだった。オルフェウスは以後も彼を離れず、喪に服す楽師の姿は長い画業を通じて幾度も戻ってきた。作品は現在、フランス南西部の町カオールに収められ、その美術館はいまや画家の名を冠している。


