
Theodor Aman · PD
犬を連れた女性の肖像
作品情報
ストーリー
1862年、ルーマニアはまだ生まれたばかりの国だった。三年前にモルダヴィアとワラキアが一人の公のもとに結ばれ、ブカレストは新しい首都として整いはじめていた。テオドル・アマンは、この新興の都市社会に西欧風の絵画をもたらした中心人物である。犬を連れた女性を描いたこの肖像には、パリで学んだ端正な描写と、モデルの身なりや装いへの細やかな目が生きている。アマンはこの二年後、ブカレストに国立の美術学校を開き、ルーマニアで初めて絵を体系的に教える場をつくった。都会の裕福な暮らしがようやく肖像画を求めはじめた時代の、その担い手による一枚である。
