
Édouard Manet · PD
ジョルジュ・クレマンソーの肖像
作品情報
ストーリー
マネがこの肖像を描いたのは1879年ごろ、ジョルジュ・クレマンソーがまだ、生まれたばかりの第三共和政の議会で血気盛んな急進派の若い議員だった時期である。第一次世界大戦を通じてフランスを率いた、あの恐るべき老宰相になるのは、まだ何十年も先のことだ。マネは彼を、演説の最中のように腕を組み、演壇でふと足を止めた姿でとらえている。二人は同じパリの界隈に出入りしていたが、クレマンソーはじっとしているのが苦手で、画家にほとんど時間を与えなかった。マネは手早く描き、背景を空白のまま残して、注意のすべてをその鋭く、苛立たしげな顔に集めた。このころ彼はすでに重い病にかかり、残された歳月はわずかだった。クレマンソー自身は、この肖像をついぞ好まなかった。




