
Joos de Momper the Younger · PD
猪狩りのある川の風景
作品情報
ストーリー
1600年ごろのアントウェルペンでは、風景画がようやく独立した画題として立ち上がりはじめていた。聖人や君主の背景ではなく、それ自体が主役になろうとしていたのである。小ヨース・デ・モンペルは、その流れを後押しした画家の一人だった。ここに描かれた山々は、実在したものではない。モンペルは舞台装置を組むようにこの眺めを構成した。手前は褐色、中景は緑、その奥は淡く白んでいく青。木立が芝居の袖幕のように配され、視線を谷の奥へと導いていく。彼が描いたのは大地であって、人物ではない。猪を押さえつける小さな狩人たちは、人物を専門とする別の画家セバスティアーン・フランクスが描き加えた。当時の忙しいアントウェルペンの工房では、こうした分業はごくありふれたことだった。




