
Caravaggio · PD
イサクの犠牲
作品情報
ストーリー
聖書の物語のなかでも張り詰めた一瞬を、カラヴァッジョはとらえている。アブラハムが息子ののどに刃をあてたその刹那、天使が飛び込んで手首をつかみ、代わりに屠るべき牡羊を茂みのなかに指し示す。イサクの口は本物の悲鳴に開き、頬は硬い石に押しつけられている。制作は1603年から1604年、依頼主はマッフェオ・バルベリーニ、頭角を現しつつあった聖職者で、20年ほどのちにウルバヌス8世として教皇に選ばれる人物だった。カンバスのX線写真は興味深い事実を明かした。カラヴァッジョははじめ、チェッコと呼ばれた同じ若い工房のモデルを少年にも天使にも使い、あとから天使の顔と髪を描き直して、二人が似て見えないようにしたのだ。右側は牡羊と、やわらかな夕景の一片が締めくくっている。




