
I, Sailko · CC-BY-SA-3.0
聖バルバラ
作品情報
ストーリー
バルトロメウス・ツァイトブロムは、15世紀末から16世紀初めにかけて南ドイツの都市ウルムで工房を営んだ後期ゴシックの画家である。当時この地方の画家たちの主な仕事は、教会を飾る大きな祭壇画だった。この聖バルバラも、もとはそうした祭壇の扉の一部だった可能性が高い。バルバラは、父によって塔に閉じ込められたという伝説を持つ聖人で、そばに描かれる小さな塔がその目印になる。金地を背に静かに佇む細身の姿には、写実へ傾きつつあった時代にあってなお、中世の敬虔な祈りの感覚が残っている。ツァイトブロムが活動したまさにその頃、ドイツでは宗教改革が起こり、こうした聖人像を祭壇に据える伝統そのものが揺らいでいくことになる。

