
Albrecht Dürer, Saint Jerome in His Study, 1521. Wikimedia Commons. · PD
書斎の聖ヒエロニムス
作品情報
ストーリー
1521年、デューラーはネーデルラント各地を巡る旅の途上にあった。アントウェルペンで彼は93歳の老人と出会い、その顔をこの聖ヒエロニムスのモデルにしたと自ら書き残している。聖書をラテン語に訳した学者ヒエロニムスが、書斎で頭蓋骨に指を添え、こちらへ静かに視線を送る。骸骨は死を思えという古い戒めであり、皺の一つひとつまで描き込まれた老人の顔がそれを裏づける。ちょうどこの頃、ヨーロッパは宗教改革の渦中にあり、ルターに深く共感していたデューラーは信仰と学問のはざまで揺れていた。板に油彩で描かれたこの一枚は、いまリスボンの国立古美術館にある。




