
Édouard Manet, The Absinthe Drinker, 1859. Wikimedia Commons. · PD
アプサントを飲む男
作品情報
ストーリー
1859年、パリのサロンに27歳のマネが初めて挑んだのが、この一枚でした。モデルにしたのは、ルーヴル近くの路上で拾い集めをして暮らす男で、名をコラルデといいます。等身大の画面は、本来なら王や聖人にあてられる格式のもの。そこへ場末の酔漢を据えたことが審査員には受け入れがたく、絵は落選します。師のクチュールでさえ首をかしげ、ただドラクロワだけが評価したと伝えられます。足もとに転がる瓶と、緑がかった一杯のアプサンは、当時のパリで最も安く手に入る酔いでした。マネはのちに画面を継ぎ足して縦を伸ばし、男の背をいっそう闇に沈めています。




