
Édouard Manet, The Bullfight, 1865. Wikimedia Commons. · PD
闘牛
作品情報
ストーリー
1865年の秋、マネはおよそ十日間をスペインで過ごした。何よりもプラド美術館で、パリにいたころから敬っていたベラスケスとゴヤをようやく見るためだった。マドリードで闘牛を観て、彼は心を奪われる。詩人ボードレールへの手紙に、それを、見られるかぎりもっとも美しく、もっとも奇妙で、もっとも恐ろしい見世物のひとつだと書いた。観客席から素早く写生をとり、そこからこの小さな画布が生まれた。いまはシカゴ美術館にある。マネは私たちを闘いへ近づけず、高い場所の、離れた席に座らせる。闘牛場は淡い砂の大きな染みのように広がり、群衆は影のなかの色の点となり、牛も人影もわずかな素早い筆致で片づけられている。その筆は、席で走り書きした写生そのままに軽やかだ。




