
聖マタイの召命
作品情報
ストーリー
ベラスケスが亡くなったのは1660年8月、マドリードでのことだ。その翌年、その家で20年ほどを奴隷として過ごしたフアン・デ・パレーハが、幅3メートルを超える画布に《聖マタイの召命》を描き上げた。パレーハはアンテケーラの生まれ。1650年にローマで自由を約す証書が作られ、四年後の1654年に自由の身になっている。画面の中ほどでは、収税吏マタイが帳面と貨幣を前にして座り、右手から入ってきたキリストが彼を呼ぶ。左の端には、紳士の装いでこちらを見返す男が一人いる。パレーハ自身である。手にした紙には自分の名と1661年の年記が書き込まれ、署名はその紙の上にある。アフリカに出自を持つ画家が自らを描いた例として、いま知られているうちで最も早いものとされる。
