
Frans Snyders · PD
エマオの巡礼者たち
作品情報
ストーリー
フランス・スナイデルスは、17世紀アントウェルペンにおける、死んだ獲物と積み上げた果実の大画家だった。ルーベンスも、画布に食料庫が要るときには彼を頼んだ。だから《エマオの晩餐》、復活したキリストがパンを裂くところで見分けられるあの瞬間を描くとき、彼は自分が世界を見るとおりに、これを一つの厨房として描いた。画面の手前いっぱいが食べ物の並ぶ卓である。白パン、葡萄、野兎、山鴫、豊かな家の饗応だ。若い召使いの娘が微笑みながら身を乗り出し、葡萄をひと房かかげ、肩ごしに背後を指さす。その手をたどると、ようやく本当の主題が見つかる。奥の部屋に、小さく。卓に三人が座り、中央の一人がパンを祝福し、二人の巡礼者は相手が誰なのか、いま気づきはじめたところだ。これは一世紀来のフランドルの習わしで、日常の豊饒に聖なる場面を担わせ、声高に告げはしない。ここで最も聖なる一瞬は、こちらから探し出さねばならないものなのだ。


