
Édouard Manet, The Railway, 1873. Wikimedia Commons. · PD
鉄道
作品情報
ストーリー
マネがこの絵を描いた1870年代のパリでは、蒸気機関車が街の風景を変えつつあった。舞台はサン=ラザール駅のわき。だが肝心の列車も線路も、ほとんど見えない。画面の奥は、駅から立ちのぼる白い蒸気にすっかりおおわれている。手前の鉄柵ごしに、本を膝にのせた若い女性がこちらを見つめ、そのそばで小さな女の子が、蒸気の向こうへ背を向けている。二人は同じほうを見ようともしない。1874年のサロンに出したとき、批評家たちは戸惑い、風刺画家は「鉄格子の向こうから通り過ぎる列車を眺める、二人の気のふれた女」と皮肉った。女性が膝で開いている本の上には、眠そうな子犬が丸くなっている。




