慈しみの聖母

慈しみの聖母


作品情報

制作年
1601
技法
板にテンペラ

ストーリー

これはギリシャ人がエレウサ、スラヴ人がウミレーニエと呼んだ型、すなわち「柔和の聖母」であり、すべてはただ一つのしぐさにかかっている。幼子ハリストスは母の頬に自分の頬を押し当て、小さな片腕を母の首に回し、母は頭を幼子のほうへ傾ける。マリヤの像のなかで最も人間的なもので、母と乳飲み子の紛れもない抱擁である。その温かさは、正教の見る者が読むよりもむしろ感じ取るべき第二の意味を帯びている。母の目は伏せられ、悲しげで、その眼差しは腕のなかの幼子を越えて、彼を待つものへと注がれている。こうして慈しみと来たるべき受難とが同じ一枚のなかに収まる。1601年に描かれたこの板絵は、幾世紀にもわたって写し継がれてきた同種の像の、長く途切れない列に連なる。頬と頬を寄せ合う二つの顔の近さこそが核心であり、この型のどの作例もそれを見せるために作られている。

これは MuseScope の数万の物語のひとつ。登録を。