
Francesco Squarcione · PD
聖母子
作品情報
ストーリー
フランチェスコ・スクアルチョーネは15世紀半ば、パドヴァでもっとも重要な絵画工房を営んでいた。門下には137人もの弟子がいたと伝えられ、そのなかにアンドレア・マンテーニャがいる。スクアルチョーネは彼を養子に迎え、のちに何年も裁判で争った。これほどの影響力をもちながら、彼自身の手による作と確実に言えるものはほとんど残っていない。この小さな《聖母子》は、彼が署名した二点だけの作品のひとつで、1455年の年記が入る。ちょうどその頃ドナテッロがパドヴァに住んでおり、この絵の描線には、彫刻家を思わせる鋭く刻んだような線が通っている。幼子は母に寄りかかって眠る姿で描かれ、当時の図像の約束では、やがて訪れる死を静かに告げるしるしだった。