アンドレア・ヴァンニ
1332–1414 · シエーナ共和国 · シエーナ派
ストーリー
シエナのサン・ドメニコ聖堂に、百合を手にした女性の、淡く色あせた姿がある。ひざまずいた一人の信奉者がその手に口づけている。シエナの聖カタリナである。そしてこれは、おそらく彼女の存命中に描かれた唯一の肖像だ。描いたのはアンドレア・ヴァンニで、彼は彼女と面識があった。その弟子の一人であり、彼女の書簡集のうち何通かは彼にあてて書かれている。
ヴァンニは、前の世代の偉大なシエナの巨匠シモーネ・マルティーニの伝統にならい、金地とたおやかにうねる線で描いた。とはいえ、絵画は彼の人生の半分にすぎない。彼は政治家でもあり、1370年代から1380年代の大半にわたってシエナを治めた党派の有力者として、市のために外交の任にも赴いた。
カタリナが1380年の死の直後に列聖されたため、彼の描いたその像は芸術を超えた重みを帯びた。ある修道士は、その下で祈ったのち吃音が癒えたと記し、以後何世紀にもわたって、それは聖女のまことの顔として守り伝えられた。
