ハールレムの画家(1600年頃活動)
オランダ
ストーリー
この画家の名は誰も知らない。「ハールレムの巨匠」は便宜上の呼び名で、1600年ごろにオランダの都市ハールレムで働いた無名の手に付けられている。研究者は様式によって絵をまとめられても、そこに一人の人物を結びつけることはできない。
ここにある唯一の作品は、聖母子に、聖母の母である聖アンナと聖ヨセフを加えた場面を描く。北ネーデルラントがプロテスタントへと移っていくなかでも、カトリックの注文主がなお求めた、静かな聖家族の一群である。丁寧で、やや古風なその描き方こそが、これを1600年前後のハールレムに結びつける。今日まで、この画家に名を与える署名も文書も現れていない。