
François Clouet · PD
湯浴みする貴婦人
作品情報
ストーリー
フランソワ・クルーエは複数のフランス王に仕えた宮廷画家だが、署名を残した作品はごくわずかで、この入浴の女性はその一つ、1571年ごろの年記がある。描かれた人物が誰かは、今もはっきりしない。長らくアンリ2世の名高い愛妾ディアーヌ・ド・ポワチエと呼ばれてきたが、年代はどうにも合わない。スコットランド女王メアリー・ステュアートだとする説もある。クルーエは正式な肖像画のように構図をととのえながら、彼女を裸で浴槽に座らせ、赤い帷を引き開けて、まるで私的な一場面に立ち会ったかのように見せる。背後では乳母が子に乳を与え、召使いが水を運び、日常が続いている。この絵をきっかけに、フランスでは湯浴みする貴婦人の肖像が流行した。