
Edgar Degas · PD
士官候補生の制服を着たアシル・ドガ
作品情報
ストーリー
1856年、22歳のドガはパリを離れてイタリアへ渡り、ナポリの親族のもとで古い絵を写して過ごした。その前後に描かれたのが、海軍兵学校の制服姿の弟アシルの肖像である。赤茶けた背景に黒い制服の輪郭が浮かび、顔だけが丹念に塗り重ねられている。当時のフランスで肖像画の手本だったアングルの流儀に、若いドガはまだ素直に従っている。アシルは17歳になる前に兵学校へ入り、1858年には見習士官として上官への反抗を咎められ、拘禁されている。1875年8月には、パリ証券取引所の階段で昔の愛人の夫に杖で打たれ、拳銃を抜いて相手をかすめた。この一件は二日後のパリの新聞の一面を飾った。




