
Didier Descouens · PD
イングランド使節の到着
作品情報
ストーリー
1495年ごろ、カルパッチョはこの巨大な画布を、ヴェネツィアの信心会サンタ・オルソラ会のために、聖ウルスラの生涯を描く連作の一枚として仕上げた。場面は伝説の一齣を語る。イングランドの使節がブルターニュ王のもとを訪れ、王女ウルスラを王子エレオの妃に迎えたいと申し入れる。右手ではウルスラ自身が指を折りながら結婚の条件を並べ、その一つが婚約者の改宗である。面白いのは、カルパッチョがこの物語をそっくり同時代のヴェネツィアに移し替えたことだ。画中には大理石も運河もあり、左のロッジアには、貴族の子弟が集う「カルツァ組」の着飾った若者たちが並ぶ。聖女の物語をまとった、ヴェネツィアという都市の肖像である。




