
Eugène Louis Boudin · PD
ロッテルダムの係留埠頭
作品情報
ストーリー
ウジェーヌ・ブーダンがこの絵を描いたのは、オランダへの制作旅行のひとつでのことだった。1879年のロッテルダムは、港をこよなく愛する画家にとって恰好の場所だった。その数年前、街は海へまっすぐ通じる新しい運河ニーウェ・ワーテルウェグを開き、船が続々と入ってきていた。ブーダンは岸壁に陣取り、目の前にあるものを描いた。岸に舫われた小舟、入り組んだマストの群れ、水面にただよう湿った灰色の光。彼は生涯、このことばかりをしてきた。戸外で絵具箱を開き、移ろう天気をとらえる仕事である。年長の画家コローは彼を空の王と呼んだが、混み合った港の場面でも、ここでは空が画面の大半を占めている。この時期ブーダンは幾度もロッテルダムを訪れており、この絵を所蔵する美術館は、街の岸壁を描いた彼の作品を何点も持っている。




