
Antoine-Jean Gros · PD
ジャッファのペスト患者を見舞うボナパルト
作品情報
ストーリー
1799年、エジプト遠征中のナポレオン軍は、シリアの港町ヤッファでペストに見舞われた。撤退の際、動けない病兵を置き去りにできず、ナポレオンが彼らに毒を与えて死なせたという噂が、のちにイギリスの新聞を通じて広まる。この絵は、その噂を打ち消すために、1799年から5年後、ナポレオンが皇帝の座に就くのとちょうど同じ頃に注文された。画面のナポレオンは、病を恐れる様子もなく手をのばし、ペストで爛れた兵士の体に素手で触れている。病人に触れて癒すその仕草は、かつて瘰癧を治すとされた歴代の王たちの奇跡を思わせるものだった。グロは師のダヴィッドの端正な様式を離れ、東方の光と色、そして病者の苦しむ肉体を、生々しく描き込んでいる。




