
Daderot · PD
カマレの港
作品情報
ストーリー
1871年ごろ、ブーダンがカマレの漁港を描いていたとき、背後のフランスは崩れかけていた。プロイセンとの戦争は敗北に終わり、パリはコミューンを経たばかりだった。ブーダンは最悪の時期を首都から離れて過ごし、この数年はブルターニュのいちばん遠い海岸で制作し、1870年から1873年まで毎夏カマレに戻っていた。彼を引きつけたのはありふれたものだった。イワシとロブスターで暮らす小さなブルターニュの港、大西洋から吹く灰色の移ろう光のなかの帆船。画面の大半を空とその天気にゆだねた。それこそ彼がいちばん心を寄せたものだ。年長の画家コローは彼を「空の王」と呼んだ。それは数年前、彼が少年モネにアトリエを出るよう促した、あのル・アーヴル近くの浜辺の、戸外の移ろう光と同じものだった。




