
Gustav Klimt · PD
カッソーネの教会
作品情報
ストーリー
1913年の夏、クリムトはエミーリエ・フレーゲとその一家に連れられて、北イタリアのガルダ湖で七週間ほどを過ごした。宿はマルチェージネ近くの小さな岬にあり、そこから湖沿いに数キロ南を見ると、カソーネの集落があった。
クリムトの風景画はほとんどが正方形で、この絵も同じだ。彼は四角い穴を開けた覗き枠を、遠景には望遠鏡も使って、目の前の眺めから画面に入れる範囲を切り出していたと伝えられる。灰色がかった家並みと黄土色の屋根、中央に17世紀の教会、そのあいだに立つ糸杉が、奥行きを持たない織物のように並ぶ。
絵はウィーンの実業家ヴィクトール・ツッカーカンドルと妻パウラの手に渡り、ナチス期のウィーンで行方が分からなくなった。数十年を経て再び現れ、2010年2月のロンドンの競売では4,000万ドルを超える値がついている。クリムトがガルダ湖で描いたと知られている作品は、今のところこれ一点だけだ。




