
Wassily Kandinsky, Composition X, 1939. Wikimedia Commons. · PD
コンポジションX
作品情報
ストーリー
1938年12月から1939年1月にかけて、カンディンスキーはパリ近郊のヌイイ=シュル=セーヌでこの油彩を描いた。彼は1933年、ナチスが教職の場であったバウハウスを閉鎖したためにドイツを離れており、ヨーロッパはふたたび戦争へと傾いていた。これは生涯に描いた10点の大作《コンポジション》の最後の一枚である。まず驚かされるのは黒い地である。色の意味に細やかだったカンディンスキーにとって、黒は終わりの色、閉じてゆくものの色であった。その上に、色鮮やかで柔らかな、ほとんど生き物のような形が浮かび、バウハウス時代から受け継いだ幾何学的な形と入りまじる。その意味を、彼は見る者の目にゆだねた。絵はデュッセルドルフに収められている。




