
Eugène Louis Boudin · PD
ドーヴィルの港
作品情報
ストーリー
1880年代の終わりには、ブーダンはもうこの海岸の夏の客ではなかった。1864年以来、毎夏をトゥーク川の河口をはさんで向かい合う二つの保養地、トルーヴィルとドーヴィルで過ごし、1884年にはドーヴィルに家を建てている。この小さな油彩スケッチは板に描かれ、1888年から1890年ごろの作とされる。岸壁には背の高い帆船が停泊し、マストが雲の積み重なる空に切り込み、船体は静かな水面に映っている。こうした港の風景をブーダンが描いたのは、ひとつには画商が求めたからであり、もうひとつには水と雲の動きをとらえたかったからだ。人の姿はほとんどなく、中央の船のそばの小舟に、素早い数筆で描かれた二つの人影が見えるだけである。




