
舟と植物文様のある双子壺
作品情報
ストーリー
胴の部分でつながった二つの小さな壺を、ひとつの器として作ったもので、エジプトのナカダII期、紀元前3200年より前の数世紀のあいだに作られた。文字が生まれる前、最初のファラオが現れる前の時代である。粘土は淡い桃色を帯びた泥灰土で、日用の器に使われた黒っぽいナイルの泥とはまったく違い、そこに紫がかった褐色で文様が描かれている。保存のよいほうの壺には、長く弓なりに垂れる葉をもつ大きな植物が立ち上がる。割れたほうには、水を表す波線の列の上に舟の一部が残り、その上方を小さなZ字形の筆致の帯がめぐっている。
舟はこの時代の彩文土器でもっとも多い題材で、同じ種類の舟は、エジプトで知られる最古の彩色墓、ヒエラコンポリスの100号墓の壁画にも描かれている。こうした彩文土器は、たいてい墓に納められた。ルーヴル美術館はこの器を1899年に購入した。



