
Alexandre Cabanel · PD
堕天使
作品情報
ストーリー
1847年、23歳のカバネルはローマに留学していた。フランスの若い画家が国費で古典を学ぶ、あの憧れの数年間である。その滞在の成果として本国へ送った一枚が、この堕天使だった。神に背いて天から落とされたルシファーが、腕で顔を半ば隠しながら、天のほうをにらみ返している。目のふちには、こらえきれずにこぼれた涙が一粒光る。怒りと悔しさと悲しみが同居するその表情は、審査する側を戸惑わせたと伝えられる。若く美しい体は非の打ちどころなく磨き上げられ、はるか後方には、追放を喜ぶ天使たちが小さく舞っている。



