
女性の頭部
作品情報
ストーリー
1903年のバイエルンで、女性が本格的に絵を学ぼうとしても、ミュンヘンの美術アカデミーには入れなかった。入学できたのは男性だけで、その状態は1920年まで続いた。女性たちは私塾に授業料を払うしかなく、なかでも評判が高かったのが、ヘルツェルがミュンヘン郊外のダッハウで開いていた画塾である。そこで学ぶ生徒の多くは女性だった。のちに画家として名を成すイダ・ケルコヴィウスも、この年に彼のもとへやって来ている。
この女性が誰なのか、ベルヴェデーレは伝えていない。体を斜めに向けたまま、こちらを振り返るように見つめ、額には強い光が当たっている。暗い緑の上着には小さな黄色いボタン。錆びたような赤の背景は幅広い筆致で塗られ、その赤の中、頭のそばに、モノグラムと年号「A.H. 03」が書き込まれている。



