
Camille Pissarro · PD
サン=トゥアン=ローモーヌの洪水
作品情報
ストーリー
ピサロがこれを描いたのは1873年、彼と仲間たちがパリで例の展覧会を開き、「印象派」と呼ばれるようになる前年のことである。当時は首都の北、オワーズ川のほとりのポントワーズに暮らしていた。普仏戦争のあいだ避難していたロンドンから戻ったばかりだった。サン=トゥアン=ローモーヌは川の対岸にあり、雨の季節になると低い田畑が水に沈んだ。この平凡な増水を、彼は大げさにせずに写しとる。手前に大きな木が一本、青緑の水面が曇り空の色を受けとめ、遠くの地平線には家並みが一列。オワーズはほとんど毎冬この平野にあふれ、ピサロは水に浸かった谷を幾度も描きに戻っている。




