
橋のある森の川
作品情報
ストーリー
1884年に世を去るまで、ウィーンの趣味を左右していたのは、衣装や行列で埋め尽くされた巨大で華やかな画面を描いたハンス・マカルトだった。その翌年頃にマリー・エグナーが描いたこの絵は、まるで方向が違う。茶色い森の小川が石の上を浅く流れ、その上に簡素な木の橋が架かる。岸には茂みがせり出し、空は白っぽい雲に覆われている。人物もいなければ、物語もない。この頃エグナーは夏になるとニーダーエスターライヒで、風景画家エミール・ヤーコプ・シンドラーとその仲間たちと戸外で制作していた。彼らが求めたのは、ありふれた自然の一角を、ある特定の光のなかでとらえることだった。手前の水面では、映り込んだ空が暗い石のあいだに素早く明るい筆致で置かれている。左下に画家の署名がある。