
タチアオイのある庭
作品情報
ストーリー
この板絵の裏に、エルネスト・クオストは短い献辞を書いている。テオ・ファン・ゴッホへ、私の友フィンセントがこんなにも愛している絵を、心からの挨拶とともに。面白いのは動詞の時制で、クオストは愛していると現在形で書いた。つまり、フィンセントが生きているうちに贈るつもりだったらしい。1890年7月初めにフィンセントがパリへ立ち寄り、この絵を見たすぐあとのことかもしれない。その月の末にフィンセントは死に、翌1891年1月にはテオも後を追う。タチアオイはクオストが得意とした花で、ここでは夏の青空と白い壁の前に、ピンクと白の花が立ち並ぶ。長いスカートの女が砂の道を花のほうへ歩き、右にはカボチャの葉が広がっている。フィンセント・ファン・ゴッホ財団がこの板絵を個人蔵から買い取ったのは、1996年のことだった。