
Édouard Vuillard · PD
リネン棚の前の少女
作品情報
ストーリー
1895年12月、パリのプロヴァンス街に「メゾン・ド・ラール・ヌーヴォー」という店が開いた。店主ジークフリート・ビングは、アール・ヌーヴォーという呼び名を広めた人物である。ヴュイヤールはその店のために、ニューヨークのティファニー工房で焼くはずのステンドグラスの下絵を描いていた。窓は結局作られなかった。同じ年に描かれたのがこの小さな一点で、縦37センチ、横33.5センチしかない。舞台は彼が母と暮らした住まいで、母はその室内で仕立ての仕事場を営んでいた。画面の左半分は花模様の衝立に占められ、開いた戸棚の前に立つ人物は、そのうしろへ押しやられている。衝立も壁紙も衣服も同じ細かい調子で塗られ、人物は部屋の模様のなかに半ば紛れている。




