
Eugène Louis Boudin · PD
港の情景
作品情報
ストーリー
この小さな板絵には、長いあいだ家族の言い伝えがついていました。1967年にボストン美術館へ寄贈したヘンリー・ブリス夫人は、夫の祖父エドワード・P・ブリスが19世紀の終わりごろヨーロッパで買ったのだろう、と美術館に伝えています。それが本当なら、ブーダンの存命中にマサチューセッツへ渡ったことになります。けれども美術館は裏づけを得られませんでした。1973年にパリで刊行されたブーダンの作品目録は、この板絵の来歴をアラール・エ・ノエルとラファエル・ジェラール画廊というパリの二つの画商にたどっていて、後者が営業していたのは20世紀に入ってからです。そのため、記録で確かめられる最初の持ち主は、1946年に亡くなったヘンリー・ウォーレン・ブリスということになります。制作はおよそ1888年から1895年のあいだとされます。左の岸壁には横帆の大きな帆船が帆をゆるめて停泊し、その奥にほかの帆柱がひしめき、動かない船だまりの水面がそれらの影を映しています。署名は右下です。




