
Joseph Kutter · CC0
道化師の頭部
作品情報
ストーリー
ヨーゼフ・クッターは、ルクセンブルクを代表する近代画家だった。人間の顔を、描くもののほとんど中心に据えた表現主義者である。道化を描きはじめたのは1935年ごろ、旅回りのバラエティ一座が街を通り過ぎたあとのことだった。はじめは、ただの舞台の芸人にすぎなかった。ところが1936年あたりから、道化は変わっていく。不安と悲しみを帯び、絵具を厚く盛り、あざのような色をした、この間近に迫る重い頭部も、その数年のものだ。そのころクッターは、医者にも診断のつかない病に重く冒されていた。道化は、自らの恐れを名指しせずに画布へ移すための手立てになっていた。彼は1941年、50歳を前に世を去った。