
Edvard Munch · PD
ヘルゲ・ベックストレム
作品情報
ストーリー
1893年のベルリンで、ムンクは29歳だった。前年11月に市の美術家協会が招いて開いた彼の展覧会は、一週間で打ち切りが決議され、その騒ぎのおかげで名前だけはドイツ中の新聞に載っていた。彼はそのまま居ついて、仲間が「黒い子豚亭」と呼んだ葡萄酒店でストリンドベリやポーランドの作家プシビシェフスキと飲んでいる。この絵のヘルゲ・ベックストレムは、その輪に外から入ってきた人だった。1891年からストックホルムで鉱物学を教えていた研究者で、仕事は岩石を薄く削って顕微鏡で覗くことである。同じ年の11月、彼はラグンヒル・ユールと結婚した。その姉妹のダグニーが、ムンクとともにベルリンへ来て、あの仲間の中心に座っていた女性だった。絵を買ったのはストックホルムの銀行家エルネスト・ティールで、彼が自分のコレクションのために建てた家に今も掛かっている。




