
Wassily Kandinsky · PD
即興19
作品情報
ストーリー
1911年はカンディンスキーにとって転機の年だった。ミュンヘンで『芸術における精神的なもの』を著し、フランツ・マルクとともに「青騎士」を結成する。彼にとって青は精神の色であり、地上を離れた高い領域の色だった。「即興 19」では、左手に細い人影の行列が前へと押し寄せ、黒い線だけで輪郭が描かれている。一方、画面の大部分は深く超自然的な青に満たされる。学芸員のアンネグレート・ホーベルクは、この人影を未知の儀式へ、いわば入門の場へと引き込まれてゆく新参者になぞらえた。この絵のもう一つの題名「青い響き」は、画家の考え方をよく物語る。彼は色を音楽のように聴いていた。人影はすでにほとんど青のなかへ溶け込み、彼が当時押し進めていた方向へと向かっている。




