
ドン・カルロス王子
作品情報
ストーリー
このカンヴァスは、ある縁談の一環としてウィーンに届いた。1564年、マドリード駐在の皇帝の使節アダム・フォン・ディートリヒシュタインが、これを皇帝マクシミリアン2世のもとへ送ったのである。フェリペ2世の長男ドン・カルロスと、そのいとこにあたる皇帝の娘アンナとの結婚が計画されていた。サンチェス・コエーリョは左下に「A. Sanchez F. 1564」と署名と年記を入れ、2メートル近い画面の高さをまるごと王子の立ち姿にあてた。劇場の観客が知っているカルロスは、シラーの戯曲やヴェルディのオペラに登場する、若い継母に恋するロマンティックな反逆児だ。アンナとの結婚は実現しなかった。アンナは1570年、カルロスの父フェリペ2世の四人目の妃としてスペインに渡り、同じ画家がスペイン王妃としての彼女を描いた1571年の肖像も、ウィーン美術史美術館にある。




