
メリトの内棺
作品情報
ストーリー
アメンホテプ3世の時代、裕福なテーベの人は人型の棺を二つ重ねて葬られるのが習いでした。外側は金で飾った黒い棺、内側は全体を金で覆った棺です。メリトのただ一つの棺は、その二つを一体にしています。身の部分は黒い樹脂に金箔の人物像と銘文で、カーの中棺と同じつくり。蓋は端から端まで金箔で、カーの内棺と同じです。博物館は今のところ類例のない棺だとし、一つの棺に二つ分の意味をもたせる工夫だったのかもしれないと見ています。
仕上がりはカーの棺より素朴です。顔の彫りは粗く、銘文は木に刻み込まれています。カーの棺では、銘文は漆喰で盛り上げてあります。しかもその銘文に記された名はカーで、棺の大きさもメリトには大きすぎます。そのため博物館は、もともとカーのために用意された棺だった可能性を考えています。発見されたとき棺は亜麻布で包まれていて、身の内側の底には天空の女神ヌトが大きく描かれています。




