
騎馬の婦人とランツクネヒト
作品情報
ストーリー
1490年代、ドイツの街道には新しい種類の兵士が現れていた。ランツクネヒトと呼ばれる傭兵の歩兵で、のちの皇帝マクシミリアン1世のもとで大部隊に編成され、金を払う者のために戦い、尊大な態度と派手な服装で知られた。1496年か1497年ごろ、若きデューラーはその一人を、馬に乗った婦人の傍らに置いた。高さ11センチにも満たない小さな版画である。男は長いハルバードを持って歩き、女は豪華な衣装で馬の上にいる。シカゴ美術館は、この二人を貴婦人と傭兵の不釣り合いな恋と読み、彼女の帽子に目を向ける。それは当時の女性の帽子ではなく、ランツクネヒトの装束の羽根付き帽子、つまり男のものだ。それをかぶって高い鞍の上にいる彼女のほうが主導権を握っているのは明らかである。ボストンの一枚はこの版から刷られたひとつで、裏面に押された旧蔵者の印が長い道のりを物語る。そのひとつは大英博物館の印で、同館は1890年代にマルコム・コレクションとともにこれを手に入れ、のちに重複品として売却した。




