
Caravaggio · PD
リュート弾き
作品情報
ストーリー
1590年代なかば、若きカラヴァッジョはローマで、音楽を愛し歌い手や楽器を身のまわりに集めた枢機卿フランチェスコ・マリア・デル・モンテの邸宅に身を寄せていた。この絵は、まさにそうした人々のために描かれた一枚である。やわらかな顔立ちの若者がリュートに手をとめ、開かれた楽譜が置かれ、卓上には果物と楽器が所せましと並ぶ。新しかったのは、飾り気のない写実だった。果物はすでに傷みはじめ、静物は、それまでのローマ絵画がほとんど試みなかった素っ気なさで描きとめられている。この構図はいくつかの版が伝わっている。ミュンヘンにあるこの一点を、所蔵館はカラヴァッジョの真筆とは断定せず「帰属作」として扱っており、エルミタージュやニューヨークのメトロポリタン美術館にある他の《リュート奏者》とのあいだで、その位置づけは今も議論が続いている。




