
聖母子
作品情報
ストーリー
聖母が幼子イエスに乳を含ませ、片手でその頭を支えています。幼子は赤らんだ頬をこちらへ向け、背後には水辺と尖塔のある町を望む広い風景が開けています。この構図のもとはラファエロの着想で、おそらく現在ルーヴル美術館にある素描を通して伝わったものです。ボルゲーゼ家では長いあいだ、ウルビーノの画家フェデリコ・バロッチの作と考えられていました。1790年の目録にも、バロッチの「小さな聖母」として記されています。1928年、美術史家ロベルト・ロンギは、ラファエロの構想を絵画に「翻訳」したのはシエナの画家ヴェントゥーラ・サリンベーニだと指摘しました。その八年後、修復家カルロ・マッテウッチが板絵を洗浄すると、下の隅の岩の上に、二行に分かれた画家の署名が現れました。
