
聖母子
作品情報
ストーリー
この板絵がボルゲーゼ美術館に入ったのは1909年のことです。イタリア国家がフォルリの慈善団体から買い取り、同じ年の11月、館長ジュリオ・カンタラメッサはヴェネツィアに手紙を送って、画家で修復家のジョヴァンニ・ゼンナーロに修復を任せたいと伝えました。絵は擦れて汚れ、酸化で黒ずんでいたのです。当時はバルトロメオ・ヴィヴァリーニ派の作とされていましたが、今では研究者のあいだで本人の真筆と認められ、1475年から1480年頃の制作と考えられています。幼子は母の膝の上に立ち、指を開いた右手を口もとへ運んでいます。ヴィヴァリーニが何度も描いた、赤ん坊らしいしぐさです。玉座の背を覆う暗いダマスク織の幕の両脇には細長い風景がのぞき、川や丘、小さな丸い雲が見えます。




