
Paul Gauguin, Manaò tupapaú, 1892. Wikimedia Commons. · PD
死霊が見ている
作品情報
ストーリー
1891年、ゴーギャンはヨーロッパの文明に背を向け、手つかずの楽園を求めて南太平洋のタヒチへ渡りました。この絵のモデルは、島で共に暮らした若いタヒチの娘テハーマナです。ゴーギャン自身の言葉によれば、ある晩遅くに帰宅すると、彼女は暗闇のなかで身を硬くして横たわっていた。タヒチの人々が恐れる死者の霊、トゥパパウにおびえていたのだといいます。後ろに座る頭巾姿の老女がその霊で、背景に散る光の粒も、島の言い伝えでは死霊のしるしとされました。題の「マナオ・トゥパパウ」は、娘が霊を思っているのか、それとも霊が娘を見つめているのか、どちらにも読めるとゴーギャンは記しています。うつ伏せの裸婦の姿は、ヨーロッパの絵画がくり返し描いてきた横たわる裸婦の型を、ゴーギャンがタヒチの信仰のなかへ置きかえたものでした。




