
Didier Descouens · PD
サン・ロレンツォ橋における聖十字架の奇跡
作品情報
ストーリー
14世紀、聖十字架の一片とされる木片がヴェネツィアの慈善信心会のひとつに寄進され、やがて貴重な聖遺物となった。ある行列の最中、担ぎ手の手を離れ、サン・ロレンツォ教会のわきの運河に落ちてしまう。ベリーニが描いたのは、その直後の情景だ。男たちが水に飛び込み、ゴンドラがひしめき、ヴェネツィアの名士たちが石造りの岸辺フォンダメンタに沿って跪く。最後にただ一人、信心会の会長アンドレア・ヴェンドラミンだけが聖遺物を引き上げることができ、彼はそれを画面中央で高く掲げている。ベリーニはこの界隈と住人をよく知っており、両岸を見覚えのある肖像で埋め尽くした。そのため絵は、1500年ごろのヴェネツィアの名門一族が一堂に会した記録にもなっている。


