
Hasegawa Tōhaku · PD
松林図屏風
作品情報
ストーリー
金箔と極彩色で障壁画をきらびやかに飾るのが流行した桃山時代に、長谷川等伯はまったく逆の道を選んだ。この六曲一双の屏風には、墨一色で松林だけが描かれている。何本もの松が、濃い墨と淡い墨のあいだを行き来しながら、霧の中に現れては消えていく。画面の大半は塗り残された白い紙で、その余白がそのまま立ちこめる朝霧になる。等伯は中国・宋の画僧牧谿の水墨画に深く学び、禅の精神を絵に取り込もうとした。近くで見ると、松葉の一部は勢いよく走り書きされ、まるで下絵のような荒々しささえ残している。