
男性の肖像
作品情報
ストーリー
この男が誰なのかは分かっていません。黒い帽子をかぶり、深い赤の袖の上に重たい毛皮の襟をまとっています。顔は細かな皺やうっすらと伸びたひげまで見えるほど丹念に描かれています。ミヒャエル・ジットウがこれを描いたのは、おそらく1510年ごろ、故郷タリンでのことです。外国の宮廷に仕える日々の合間に、彼はそこでふたたび暮らしていました。
男は両手を画面の下の縁に置いています。まるで、こちらとのあいだにある窓枠に手をかけているかのようです。これはジットウがブルッヘでの修業から持ち帰った工夫で、ネーデルラントの肖像画家たちは、小さな板絵を壁に開いた窓のように見せるためにこれを使いました。
板の裏にはリプハルト家の紋章があります。バルト・ドイツ人の収集家一族で、その屋敷ラーディは、いまのエストニアのタルトゥのすぐ郊外にありました。肖像は1946年、美術館の購入資金を募るオランダの団体レンブラント協会の支援で買い取られ、ハーグにやって来ました。

